「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」 ラストでダースベイダーが全部持って行きます。
この作品を観ると、スター・ウォーズ本編が、
・フォースをめぐる云々
・スカイウォーカー家の血統をめぐる云々
の二点によって、冒険活劇としてはかなりいびつな構造になっていることに気付かされる。
第一作「新たなる希望」こそ古今の冒険活劇のエッセンスを集めた様な作りだったが、二作目の「帝国の逆襲」を観た我々は、実はコレが血統をめぐるストーリーであることに驚かされ、さらに前作にもチラリと出てきてはいた「フォース」が思いの外重要なファクター、いや、むしろ主要なテーマである事を思い知らされた(そして不思議な事だが、その「帝国の逆襲」こそが今のところ全シリーズの中で一番面白い)。
そして、以後のシリーズは徹底的にスカイウォーカー家の血統とフォース(とそれを使いこなすジェダイ)のハナシとして展開していくのだった。
そんな中、本作はスカイウォーカー家の血統からもフォースからも自由であり(ある程度影は落としているが)、シンプルな、正しい冒険活劇になっている。
コレはあくまでも不良娘が親の仇と銀河の平和のために、たいして仲良くもない仲間と共に命がけで悪の帝国と戦うハナシなのである。
ミッションとしては「デススター設計図の奪取」であるが、一応主人公の不良娘にはこのミッションを遂行する必然性があるのが、ストーリーをドライブするエンジンになってはいる。
こういうハナシは手練の監督に任せると「帝国の逆襲」のような傑作になるのだが、2014年のハリウッド版(レジェンダリー版と言うべきか)「GODZILLA」のギャレス・エドワーズ監督は、まだまだ「手練」と呼ぶには遠い。
が、ところどころアッと驚く手腕を見せて熱くさせることも確か。
どういうわけかチャンバラに光るところがあり、途中にあるドニー・イェンによる剣戟が素晴らしいのはドニー・イェンの実力もあり当然としても、ラストのダースベイダーのライトセーバーによる制圧劇は、シリーズ屈指の強さ恐ろしさ。フォースの使い手がこんなに怖いのはシリーズでも初めてではなかろうか。
って結局フォース出てきてるやないかいッ!!
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