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マジックソープ ベビーマイルド 236ml
マジックソープ ベビーマイルド 236ml (JUGEMレビュー »)

中年オトコが石鹸をオススメかよッ!!と言うなかれ。ワタシはコレをガロンボトルで買い込んでます。
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「ほんとにあった!呪いのビデオ 64」 新機軸満載の意欲作

 残念ながら幽霊というものをまだ見たことがないので判らないのだが、幽霊というものは立体的に見えるものだろうか。

 我々がTVモニターやスクリーンに映しだされたモノを「立体的である」と感じるのは、(左右の肉眼で見たものが映しだされているのではない以上)主に陰影と遠近法によるだろう。

 

 「陰影」という以上どこかに光源があるはずなのだが、いわゆる霊的な現象が、その現象の観察者と同一の光源の影響を受けないであろうことは想像できる。なにしろ「あの世」の物なので、あの世の光源(?)に照らされたものが、何らかの回路を通ってこの世で見えているだけなのだ。

 そもそも照らされるもクソも、半透明だったりして光が反射するかどうかも怪しいと言えば怪しい。

 などと考えていると、やはり幽霊が平面的に見える、というのは正解なんだろうかねぇ、、、

 

「怨讐」
 廃墟を探検していてポルターガイストに会うハナシ。
 「ほん呪」としても、そもそも日本全体の傾向としても、こういう人間的な姿の見えないポルターガイストは珍しい。派手なポルターガイスト現象が起きた瞬間、一気にバタ臭くなった気さえした。

 

 そんな意味で新鮮な驚きがある。
 が、タイトルが大げさ過ぎ。

 

「トイレ」
 投稿者のカレ氏は、とあるオカルトサイトの記事に従って、深夜の公園のトイレで霊を呼びだす儀式を行う。カレ氏はそういう怪しい動画をネットにアップするのが趣味なのだ。
 カレ氏と連絡がつかなくなった投稿者は、カレ氏の部屋で見つけたスマホから、公園のトイレの動画と、当の彼氏の部屋のトイレの動画を見つけるが、、、
 というハナシ。

 

 ちょっとストーリーが凝ってる。
 製作委員会はカレ氏の行動の元になったオカルトサイトの管理人と連絡をとり、例の「公園のトイレの儀式」の記事について尋ねるが、その答えは驚愕すべきものであった、、、

 

 コレこそちゃんと取材して追いかけるべきなような気がするが、、、

 

 自室のトイレの窓の外から真っ赤な顔をした子供が覗いているが、この顔が結構立体的。
 しかし、微動だにしない。
 平面的であることと同様に、微動だにしないっていうのも、心霊写真からの刷り込みなのかなぁ、、、

 

「赤い傘」
 撮り鉄のカレ氏が踏切脇で電車を撮影しようとしているところを撮影するカノ女。
 通り過ぎる電車がマッキッキで西武線にしか見えない。
 オレは明日西武線に乗ってこの踏切を通過するんだろうか、、、

 

「シリーズ監視カメラ 覗き穴」
 ドアの覗き穴に防犯用にカメラを仕掛けていると、なんと向こうから覗き込む顔が、、、

 

 意外なことにオトコの顔。
 

 覗き穴の視界に上から入ってくる意外性がちょっといい。
 普通は下から入ってくるじゃん?

 

「寺跡」
 触るとタタリがあると言われている「首なし地蔵」にわざわざ大人数で触りに行くハナシ。

 撮影者を含めて4人以上いる時の定番カメラワークで、ひとりひとりの上半身を順番にパンしていくが、最後の1人まで行って戻ってきた時に、ひとりの女性(何故かこのヒトだけ「アサミ」と名前バレしてる)に背後から不気味なオンナが絡みついている。

 

 惜しむらくはカメラが戻ってきた時のアサミ嬢も絡みついている不気味なオンナも微動だにしないこと。
 まるで、一度カメラが通りすぎたあと、慌ててハケて、戻ってきた時の誰もいない空間に静止画を合成したように見える。

 

「人身事故」
 本当の電車事故の現場で撮影している。
 臨場感はあるが、「不可解な現象」そのものはどうということはない。
 その存在が半透明でさえなければ、割りとフツーの出来事ではないか。

 

「スケープゴート 後編」
 まあ、色々ゴチャゴチャやっておりますが、要は民俗学のゼミのチームが呪いを封じ込めた箱盗んできて開けちゃって、案の定呪われたって言うハナシです。

 

 問題は、そのゼミの部屋に忍び込んで掴まった少女の存在だろう。
 ゼミのチームが箱を盗んだのと同じ県に旅行に行った際行方不明になるが、ゼミ室に忍び込んでいるところを発見されて以来、精神のバランスを崩していて、さらにはゼミのメンバーが呪われた結果遭遇する悲劇を絵に描いて予言する。

 

 彼女の存在がこのハナシに不思議な陰影を与えている。

 

 一方で、菊池カントクの「探検趣味」が再度爆発している。
 投稿者のカレ氏が元あった場所に埋め戻したらしい問題の「箱」を、わざわざ場所を特定して掘り返しに行くのである。
 しかも一度場所を間違えて道に迷ったところを地元のヒトに助けてもらい、その時点でいい加減夜になっているのに、そのまま再度捜しに行くのである。
 朝になるまで待てばいいのに、、、

 

 しかも深夜の大冒険の末発見した箱にたいして、演出補どもに絶対やってはいけないことをヤラせるのだ。
 だからそれやっちゃダメだって言ってるのに、、、

 

 しかしここからの演出は面白い。
 探検チーム(菊池と新演出歩のオトコ二人)と、件の少女の元に詰めている川居ちゃんを含む女性演出補二人の様子をカットバックで描いていくのだ。
 つまり、同時刻に二箇所で起こった出来事を切り返して描いていて、コレがなかなかの迫力。
 まるで映画みたい。

 この手のドキュメンタリーとしてこの演出法は賛否両論あるだろうが、面白いことは面白い。

 

 ラストに製作委員会の推論として明かされる少女の意外すぎる「正体」とあいまって、全体としてなかなかの満足感のあるエピソードになった。

 

 しかしこの少女の「正体」はちょっと無理だなぁ、、、
 発見時にもその後も病院に行ってるんだもん。これでそんな「正体」がありだとしたら、ちょっと我々の常識を覆す。映画だったら何らかの説明がないと、ふざけんな状態だろう。

 

 ココさえちゃんとしてたら、それこそ坂本一雪時代を越える「究極の実在系」に成功したということになるんだが、、、


 とは言うものの、この巻はのっけから新機軸もあり、満足感で言えばかなりのもの。

 

 ところで、3巻前まで演出補としてド厚かましい雰囲気を醸し出していた森澤は、最近姿を見せないが、スタッフにはちゃんと名前を残している。
 まさか、ここ数巻の好調は、森澤の手によるものだとでも言うのだろうか、、、

JUGEMテーマ:ノンフィクション

at 02:08, 空中禁煙者, 邦画

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「ほんとにあった!呪いのビデオ 63」 不可解な現象は鶴田法男がお好き

 あのですね。
 いわゆる霊的現象(ほん呪風に言うと「不可解な現象」)が、カメラワークを意識した動きをする、というのはおかしいと思うわけですよ。

 いま、写っている「不可解な現象」とカメラのあいだに何らかの遮蔽物が現れ、数秒不可解な現象が隠れた後、遮蔽物がどくと不可解な現象が消えている、あまつさえ近づいている、とか。
 カメラが一度パンして、元の位置に戻ってくると、さっきまで特に不審なものはなかった空間に不可解な現象が出現している、とか。
 なぜ「不可解な現象」が、カメラに今何が写っているか写っていないかを意識していて、なおかつそれが判るのか、と。

 

 ハッキリ言ってこれらは映像作家の鶴田法男がホラー映画(とかドラマ)の演出のために編み出した手法であり、続くJホラーの監督たちがこぞって採り入れた(パクッたとも言うが、映画界において手法のパクリはだいたい許される)ために、すでに我々日本人は「霊的現象はこのような挙動をとるものである」と刷り込まれているのである。

 従って、もし仮に霊的現象が映る動画を新たに撮ろうとする者がいたとしたら(あくまで仮に、ですよ)、ほとんど無意識の内に「霊的現象がカメラワークを意識して自らのインパクトを高めようとする」演出をしてしまうのではないか、と思われるくらい人口に膾炙しているのだ。

 しかしながらコレはあくまでも「演出」であり、ドキュメンタリー作品、あまつさえ投稿作品にこれらの演出が散見される、というのはマズイのではないか。

 

 それともアレか。
 不可解な現象たちが、清水崇みたいに鶴田法男に許可をとって演出法をパクらせてもらってるのか。

 

 今回はそんな観点からも検証してみたい。

 

「親子」
 公園で遊ぶ息子(4〜6歳)を撮影する母親。公園の池の水辺では謎の手が息子を引きこもうとし、ほとりに木からはオンナの生首が、、、

 これは岸辺の手に驚く撮影者が一瞬視点を乱したあと、木を見上げる息子に気づく切り返しが巧い。
 ただ、岸辺の手があまりにも平面的で動きがない。

 

「ゴンドラ」
 ロープウェイのゴンドラの窓にへばりつく子供の影。
 なぜ彼はこんなに平面的なのだろうか。
 こんなに平べったくなっちゃって、ヒラヒラ飛んできてペタッと窓に張り付いたんだろうか。
 なんか可哀そう、、、

 

「街撮り」
 撮影者は外国人とのこと。
 ただ、歩きながら街路の様子を撮影している。そういうこともあるだろう。
 漫然とした映像の中に、突如右から半透明のことが現れて消える。
 映像を見る限り、右から現れて、撮影者とぶつかった時点で消えているようである。
 論理的には、後ろを振り向くと「彼」が映るような気もするが、そこまでの余裕はなかったようだ。

 

「上空」
 飛行機の手荷物置き場に置いてあるリュックサックと手荷物置き場の端のスペースに、すっぽり生首が「嵌り込んでいる」。
 中村氏のナレーションは「友人を撮っている」と言うが、友人はほとんど写っていない。
 カメラは座席の肘掛けの位置から手荷物置き場に向けてまっすぐ向けられている。
 そして、スッチーらしき人影や、隣の席の友人の手がカメラと生首の間を遮るタイミングを利用して、出たり消えたりする。
 恐らく撮影者はカメラを見ていない。ただ、なんとなくカメラを向けて撮影しているだけで、ナニが写っているか判っていない。
にもかかわらず、「不可解な現象」は遮蔽物を利用して出たり消えたりする。

 

 生首がやや立体的に見えること、瞬きをしていることは評価できるが。

 

「シリーズ監視カメラ 鳥居」
 コレは定点カメラでカメラは動かないし、画面の中も動くものは殆どないが、やはりタイトルにもなっている「鳥居」を利用して出たり消えたりする。

 

 オッサンと女性が複数ある鳥居をくぐっていると、女性だけ消えてしまうのである。
 別に幽霊はもともと出たり消えたりするものなんだから、普通に出たり消えたりすればいいと思うんだけどなぁ、、、

 

「証明写真」
 街角にある証明写真のボックスで写真を取ろうとすると、中に女性がいる(腰から下しか映らないが)。
 慌てて謝るが、一緒にいた仲間は誰も居ないという。
 もう一度開けると、、、というハナシ。
 で、中にいた女性はともかく、ボックスの天井付近にオンナの生首が、、、

 

 菊池カントクは生首好きだなあ、、、
 中の女性が消えるタイミングは巧いと思ったが、生首が平面的で、やたら目がでかい。少女漫画のよう。
 で、そのでかい目でキョロキョロしやがる。キョロキョロする動きが無意味だし不自然。
 撮影者を睨んでいるとかの方が怖いのではないか。


「スケープゴート 中編」
 ほん呪委員会の執拗な調査によって、徐々に真相が明らかになってくる。この辺はほん呪本来の楽しみとは別種の良さが出ている感じ。
 前作から問題になっていた民俗学の助教、庵堂を追い詰める過程など、一晩がかりの張り込みなどあったりして、刑事ドラマのよう。
 そして庵堂の語る「取材旅行」の全貌とは、、、

 

 庵堂助教授一行は、案の定例の「箱」を旅先の旅館で開けていたのだ。そしてその時の映像を残している。撮影者は庵堂助教。
 箱を開けた瞬間、三人の学生の背後に、、、というのだが、この時三人それぞれの背後に現れた不可解な現象が、なんか笑っていいのかビビっていいのかビミョウなシロモノ。
 なんか中世のキリスト教の司祭みたいな頭からスッポリかぶる黒いローブ姿なのだ。
 え?この箱、キリスト教絡みだったの?、、、

 

 さらにこの箱のもともとの持ち主であった巫女(やっぱ神道系じゃん、、、)の老婆を調査するうちに、製作委員会はもう一度庵堂助教のハナシを聞きに行こうとするのだが、、、

 

 ラストでとうとう菊池カントクの探検趣味が爆発。
 再度庵堂助教の自宅を訪ねた一行は、そこで衝撃的な事態に遭遇してしまう、、、
 いや、ここまで映すとは思わなかった。
 コレはなかなか衝撃的。

 

 そんな訳でごく普通のホラー映画のように展開していくこのハナシ。 
次回でラストなんだけど、ちゃんと終われるのかね、、、

 

 イヤ、シリーズの性質上、別に落ちがつかなかろうが大団円じゃなかろうが仕方ないんだが、ここまでちゃんと「展開」されると、なんかキチンと終わってくれないと納得できない感すらある。


 なんかやってるうちにカメラワーク意識するハナシより、「幽霊の立体感」のほうが気になってきてしまった。
 次回はちょっと幽霊の立体感を意識して鑑賞してみたい。

 

 まさか、カメラワークを意識しているのは、生前Jホラーのファンだった幽霊だとでもいうのだろうか、、、(ホントにそうだったらゴメンナサイ、僕のところに出ないでください)

JUGEMテーマ:ノンフィクション

at 01:49, 空中禁煙者, 邦画

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「ほんとにあった!呪いのビデオ 62」 ある意味元に戻ったというか、、、

 「バッティングセンター」

 カップルでなんかしてると「不可解なもの」がカメラの方に問答無用で向かってくるって、前作の「野鳥観察」とそっくりなんだけど、、、
 生首と子供という違いこそあれ、何故か不可解な存在だけがモノクロであること、向かってくる呼吸等、ほぼ一緒。
 前作で評判が良かったんでもう一度やってみたんかなぁ、、、

 

「アスレチック」
 20年前、投稿者が子供の頃、アスレチックで遊んでいるところを親が撮った映像。
 まだ幼稚園児みたいな投稿者が遊具の横木をつかって逆上がりの真似事をしていると、横木の向こうからモノクロの女の顔が「逆さまに」下がってくる。髪の毛が下に向いていて、明らかに重力の影響を受けている。
 幽霊だって重力の影響を受けるのである。

 

「シリーズ監視カメラ 門」
 一般家庭の玄関と門を一望できる監視カメラに、首のないサラリーマンが写っている。
 「サラリーマンの霊」という語感から想像されるしょぼくれた姿ではなく、細身のスーツを着たオシャレな霊が、さっそうと足取りも軽く家の中から門の外へ歩き去る。
 つまり、首がないながらもヤンエグの出勤風景なのである。なんか新鮮。

 

 「断崖」
 夕方、カップルで自殺の名所の断崖にやってくる。カレが「危険につき此処から先立ち入るべからず」の線を乗り越えたため、カノジョはカレを見失う。
 突然風景が夜になっていて、カレを発見し、「今までどこに行ってたの?」と聞く。
 つまり相当時間が経っているのである。カレは何時間も行方不明になっていて、必死に捜していたはずなのである。にもかからず、カメラで撮影している。
 断崖だし自殺の名所だし、警察に連絡すべき事態だと思うが、ノン気なものである。

 

「タイムカプセル」 
 中学時代に仲間内で埋めたタイムカプセルを掘りだして盛り上がる若者たち。
 掘り出した穴から、そこにはいないが一緒に埋めた女子であろう髪の長い人物が、「這い出してくる」。
 中村氏は「這い出してくる」と言っているが、単に這っているようにしか見えない。
 縦に掘った穴から出てくる時に必要なはずの、体を持ち上げる動きが感じられないのだ。

 

「救急車」
 地面に映える救急車の赤色灯がヒトの顔になっている。
 けっこうハッキリヒトの顔になっていて、なんらかの強い意志を感じさせるが、ハッキリ言って気がつかないヒトビトに踏まれまくり。

 

 「スケープゴート」
 今回の長編。当然、夏の三作連続リリースを縦断する大長編の一回目。

 まず、演出補が入れ替わってます。
 増本画伯とド厚かましい森澤が消えて、新しい演出補がオトコ2人女子1人加わっています。つまり、川居尚美嬢残しで全とっかえ。やっぱり川居ちゃんがいるといないじゃ売上が違うのかな、、、

 

 それはともかく。
 そろそろメンド臭くなってきたのか、禁断の民俗学ネタに手を出している。
 もろに大学の民俗学研究室が舞台なのだ。

 投稿者はその民俗学ゼミの生徒のカノジョ。

 

 ゼミで行った取材旅行から帰った後、カレシの様子がおかしくなり、とうとう連絡が取れなくなってしまった。
 カレシは行方をくらます前、旅行先から謎の小箱を持ち帰ったという、、、

 

 謎の小箱、となんか2ちゃん好みのガジェットが出てくるが、この時点でもう、ネタバレ感満載ですな。
 ようするに民間信仰的に持ち帰っちゃいけない小箱を持ち帰っちゃって、その時居合わせたメンバーが次々殺されるハナシでしょ。

 現に旅行に参加した助教授と生徒三人(オトコオトコオンナ)のうち、オトコの一人は心不全で死亡、オンナは事故で両足切断(生存)、もう一人のオトコである投稿者のカレシは行方不明、と。

 キーを握るのは助教授の庵堂であることは明白で、どうもコイツは呪いがあることを予想して生徒に単位を餌に小箱を押し付けていたらしい。

 

 なんかいかにもよくあるハナシですが、ちょっとフックが効いているな、と思ったのは、当のゼミ室に忍び込んで保護された少女の存在だろう。

 この少女は数カ月前に一度行方不明なっており、発見されたのは例のゼミが取材旅行に行ったのと同じ県である。

 

 ハイ、もう分かりましたね。
 少女は小箱の本来の持ち主側に取り憑かれたかなんかして、小箱を取り戻すべく動いているに違いない。
 少女は発見されて以来精神のバランスを崩しており、ほぼ自閉症状態であるが、突然、絵を描き始める。
 一枚は胸を抑えて苦しむヒトの絵、一枚はクルマに惹かれて両足が血だらけのヒトの絵、一枚は首を吊るヒトの絵。
 つまり、一枚は心不全で亡くなったゼミの男子生徒、一枚は交通事故で両足切断した女子生徒のように思える。
 となると首を吊るヒトの絵は、、、

 

 となかなか興味をそそる展開を用意してる。

 まあ、恐らくは全三回の初回なのでまだ判断するのは速いが、面白くなりそうではある。
 なにより菊池カントクの好きな探検しがいのありそうなハナシではないか、、、

 

 

 全体的に61巻の好調ぶりがウソのようなローテンションな出来。
 61巻はフロックだったのかなぁ、、、

 

 ところで、ですね。
 ちょっと気になったんですが、長編の「スケープゴート」は大学のゼミが舞台なわけですが、登場人物全員(演出補も含め)、ゼミをゼ↑ミって発音するんだよね。いや、→ゼ→ミかなぁ、、、
 オレが大学生の時は↑ゼミだったんだけど、いつの間にこんなにキレイに入れ替わったんだろう、、、

 

 まさか、→ゼ→ミと発音する奴は呪われる、とでもいうのだろうか、、、

JUGEMテーマ:ノンフィクション

at 01:57, 空中禁煙者, 邦画

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「異都発掘」 新宿にジャングルがあった頃、、、

 子供の頃、新宿でジャングルを見た。

 

 地下鉄東西線早稲田駅から学習院女子に抜ける道の左側だったろうか。
 「新宿」という語感から連想されるようなビル街では決して無いが、学校や、団地や、商店がならぶある意味ごく普通の「新宿」の風景の中に、突然ジャングルへの入り口がぽっかり口を開けている眺めは、不思議とか異様などという以前に、とてつもなく非現実的だった。

 

 鬱蒼と木々が茂っているとか(普通それは「森」と呼ばれる)、雑草が伸び放題などという生易しいシロモノではない、大きなナタで植物を払いながらではないと一歩も進めない、まさに、あの、言葉のイメージ通りの「ジャングル」であり、絶対、トワイライト・ゾーンへの入り口だと思った。
 しばらくそこに立ち止まっていれば、中から極楽鳥の鳴き声が聞こえてくるに違いとさえ思った。

 

 のちのち、新宿界隈にゆかりの有りそうなヒトに「新宿にジャングルあったよね」と訪ねると、「ああ、戸山ジャングルでしょ」とか、「あれ、整地されてキレイになったよ」などという答えが返ってくることが多く、あの体験がオレの幻覚ではなかったこと、けっこう多くの人に「ジャングル」と認識されていることが判った。

 

 それから幾星霜。
 ふと気になって「戸山 ジャングル」でググってみると、コレが出てこないのである。
 かろうじて住人が高齢化して手入れの行き届かなくなった戸山ハイツがジャングル化しているという記述と共に数枚の写真が出てくるが、ハッキリ言ってこんな生易しいものではない。

 

 いつの間にか新宿のジャングルの記憶はヒトビトの記憶から消えてしまったのだろうか。
 

 何やら不安になってしまい、新宿のジャングルの記憶を留める書物などないものか、と一生懸命ググった結果見つけたのが本書。
 なんだ、毎度おなじみ荒俣宏センセイではないですか。
 荒俣センセイのご著書のけっこう読んでいるつもりだったが、コレは抜けていた。
 それとも大昔に読んで忘れちゃってるんだろうか、、、

 

 初出は1986年。
 まあ、30年前です。

 そして、写真を豊富に収めた本書に掲載されている「新宿戸山に突如出現したジャングル」の写真は、まさにオレの記憶にある、あの戸山ジャングルである。
 しかし本文中にほとんど戸山ジャングルに関する記述はなく、本文の内容を嘲笑うかのように、「密林にに侵食される大都会」というキャプションがつけられている。

 

 本書は基本的には東京に残る様々な事物を、作られた当時のノリで追体験したり、あるいは荒俣センセイ特有の解釈で再構成、再解釈したりする内容になっている。

 正直言って、バブル期の書物なせいか、荒俣センセイのケレン味が強すぎて、今となっては読むのが辛い部分も多い。

 しかし、こういう失われいく風景を荒俣センセイのような知性がキチンと位置づけしたうえで残していく作業って必要だよなぁ、、、と思う。
 誰か継続的にやってくれないかしら、、、(もうやってる方いらしたらゴメンナサイ))。

JUGEMテーマ:ノンフィクション

at 19:43, 空中禁煙者, 書籍

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「新宿スワン」 園子温監督初めての(そして恐らく最後の)マトモな映画

 園子温監督作品の中では画期的にマトモ。
 なんだ、撮ろうと思えばマトモな映画も撮れるんじゃん、って感じ。
 園子温監督は原作をブチ壊すのなんて全然ヘーキなので、人気の原作マンガがあるから、ではないだろう。
 珍しくメジャーな資本が付いているからとか、やはり山本又一朗はそれなりに抑えが効く名プロデューサーだからとか、一瞬だけ思ったりもするが、園子温に限ってそんなことを気にするわけがない、やはりコレはカントク自身がたまにはマトモなエンターテインメントをを作ろうと思ったのだろう。

 

 新宿歌舞伎町に巣食ういわゆる「スカウト」の成り上がる様を描いた映画。
 とりあえず退屈せずに観れることは観れる(ワタクシ空中さんは「ら抜き言葉」推奨派です)が、とりたてて言うべきことも見つからない映画。
 なにしろ一番印象的なのは、丸高愛実が乳揉まれまくってるカットだ。
 残念ながら服の上からですが、二回あります。

 

 もうひとつ、ワタクシ空中さんはこの映画で初めて綾野剛という役者に納得がいった。

 最初に綾野剛を見たのは川島海荷ちゃん主演のテレビドラマだった。
 無表情で無口な殺し屋役が、酷薄な顔によく似合っていた。
 スマートな肉体での殺し屋アクションも美しく、「ああ、新しいアクション俳優の登場かな、、、」と思ったが、まさかこの後二枚目で名を馳せるとは思いもしなかった。

 

 テレビドラマ版の「ロング・グッドバイ」(このドラマ自体は信じられないようなクソだったが)にテリー・レノックス役で登場した時、「え?え?え?綾野剛って二枚目だと思われてるの???」と愕然としてしまったのだ。
 あのちっこいツリ目と広がった鼻と間延びした鼻の下で、、、

 

 しかしこの映画の綾野剛はぴったりハマっている。
 元不良でアテもなく新宿にやってきてスカウトにスカウトされるオトコ。
 なったらなったらで自分がスカウトしたオンナの子を全力で守る熱いオトコ。
 自分を拾ってくれた先輩と会社のために命も張る覚悟のうっとうしいまでに一途なオトコ。

 コレは今までに見た綾野剛の中でも一番しっくりくる。
 この気持のいいくらいのハマり方はこの映画の大きな美点のひとつだろう(丸高愛実ちゃんの乳もまれの次くらいに)。

JUGEMテーマ:映画

at 20:36, 空中禁煙者, 邦画

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「ダーティホワイトボーイズ」 悪のプリンス、自嘲す。

 脱獄した悪のプリンスと、地味にしたたかなハイウェイ・パトロールが対決するハナシ。
 悪のプリンスの父親は、「極大射程」のボブ・リーの父親に殺された、とあって、ボブ・リーは全く出てこないが、一応ボブ・リー・サーガの一編なのであった。

 まず、「悪のプリンス」ラマー・パイの人物造形が素晴らしい。
 彼は賄賂から殺人に至る一切の犯罪行為に禁忌を持たない。必要とあれば協力者への裏切りだろうとなんだろうとヘーキでするが、一方で発達障害を持ついとこのオデールに対しては徹底的に庇護者として振る舞う。
 「突破者」宮崎学氏は「アウトローの特徴」として「徹底した身内びいき」をあげていたが、どうも洋の東西を問わないらしい。

 そしてまた彼は、驚くべき率直さの持ち主でもある。刑務所内で彼の庇護を求めて近づいてきた男に彼は言う。
「俺はただのケツ掘り屋だ」

 刑務所内で、コレも洋の東西を問わず男色行為が行われていることは常識の部類だが、登場人物ににここまでミもフタもない表現をさせる作家は珍しい。
 重要なのは彼は決して男色家ではなく(脱獄に成功した途端に女性としかセクスをしなくなる)、オトコしかいないから性欲処理の必要性のためだけにオトコとやっているのであり、その事実に対して自嘲的なスタンスから発言しているのことである。
 自嘲というのはある程度の自己分析能力がないと出来ない。
 悪のプリンス的なキャラクターを描く作家は多いが、悪のプリンスにここまで冷徹な自己分析と、それをあっさり表明してしまう率直さ(公正さと言ってもいい)を与えたのは、それなりに意味があるのだ。

 

 ラマー・パイはいわゆる知能犯ではない。ろくに学校も行っていない、度胸と腕力を頼みに生きてきた粗暴犯だ。しかし彼には冷徹な自己分析を可能にするある種の知性と意志の強さ、及び驚くべき率直さがある。
 これらを「俺はケツ掘り屋だ」のひとことで表現してしまっている。
 やはりスティーブン・ハンターは単に文章の書ける武器マニアではない。
 本当の「小説家」なのだ。

 

 ヒーロー役のパド・ビューティは一介の中年ハイウェイ・パトロール隊員である。
 警官ではあるが、刑事のような「捜査官」では無いのがミソ。
 脱獄直後のラマー・パイに出くわし、若い相棒を殺されたことで、ハイウェイ・パトロールの身ながらラマー・パイを追い続ける。

 そして、ラマー・パイにある種の美点があったのと対をなすように、パド・ビューティもある「悪徳」を抱えている。パドはこの抱え込んだ「悪徳」ゆえ、ラマー・パイを意地になって追い続けなければならないのだ。

 

 美点を持った悪人と罪を抱えた善人という対比は、このジャンルのフィクションの定番ではあるが、善と悪のバランスが難しい。

 個人が内包する善と悪の振り幅の点で、やはりこの小説の主人公は、ヒーロー役のパドではなく、ラマー・パイなのだ。

 

 全体としては激しいアクションを売りにした小説だが、意外に謎解きの要素もある。
 推理小説のように読者も謎解きを楽しめるようには書かれていないが、冒頭から描かれるラマー・パイのある執拗なこだわりの意味をパドが解明するあたりは、「アッ、そうか!」と驚かされる。
 これがラマー・パイの居所を突き止めるヒントになるのである。
 ハンター先生、なかなかどうして多彩な技を披露してくれる。

 決してジャンルに影響をあたえるような傑作ではなく、コレ一冊で考えればアクション小説特有のカタルシスを得るための時間潰しでしかないが(逆にカタルシスを得るための時間潰しを読みたい、と思えば最大級に優秀)、今後もほぼ永遠につづくようなスワガー・サーガの一冊と思えば読んで損はない。 
 いや、読むべき。

JUGEMテーマ:小説全般

at 20:21, 空中禁煙者, 書籍

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