2015.08.31 Monday
「舞妓はレディ」 ダジャレに引っ張られすぎ
周防監督は、「舞妓はレディ」というタイトルを先に思いついてしまったのだから当然のことだ、と思っているかもしれないが、単なるダジャレにすぎないタイトルに引っ張られて余計なことをしているとしか思えない。
「マイ・フェア・レディ」のパロディにする必然性が全くわからないのだ。
ソレはつまりレックス・ハリソンと長谷川博己の差であり(そりゃ長谷川博己が可哀想だわなぁ、、、)、作曲者の差である。
長谷川博己演じる大学教授が歌うシーンが、長谷川博己の歌の実力と曲のたいしたことなさと相まって、なぜ存在するのか全く解らない。
この映画が存在する契機が、例えばお坊さんだの大学相撲部だのダンス教室だの「存在することは知っているが良くは知らない」世界を面白く見せる、ということにあるとすると、「マイ・フェア・レディ」フォーマットは京の舞妓さんの世界を見せるのに邪魔にしかなってない。
イマドキ田舎から出てきて舞妓さんになろうとするなどは、それだけで奇特であり大変なのであって、何も津軽弁と鹿児島弁のバイリンガルを治す、などともう一枚乗っける必要はない。
実際、ほとんど出来てないし。
そんなことをやってる暇があったら松井珠理奈と武藤十夢のダンスシーンを復活させるべき。
結論から言って「日本でミュージカルはまだ(?)無理だなぁ、、、」と思わせる出来でしか無い。
かろうじて成立しているのは田畑智子が芸姑になる決意を歌い踊るシーン(このダンスシークェンスの上白石萌音ちゃんはたしかにかわいい)と、富司純子の若いころを演じる大原櫻子が恋人に会いに東京へ旅立つシーンくらいか(このシーンが比較的いいのは、「過去のハナシ」というフィルターのおかげのような気もするが)。
ラストで上白石萌音が歌い踊るシーンは、上白石の歌の巧さと相まって確かに圧巻ではあるが、バックが何にもしていないし、上白石の踊りも(良いことは良いが)、着物を着て踊る振付じゃない。
周防監督は事前に狸御殿シリーズでも見まくって、和服によるミュージカルの振り付けを学んで欲しかったと思う。
あと致命的な欠陥がひとつ。脚本上のアナをあげつらうのは誰にでもできることなのであまりやりたくないのだが、、、
そもそも主人公のの上白石萌音ちゃんが、なぜそんなに舞妓になりたいのか全然描かれてないの。
亡き母が舞妓だったということはかなり早い時点で観客に提示されるが、イマドキそんなに母親と同じ職業につきたいだろうか。
なにか重要な契機があるのだが、カットされちゃってるんじゃないかっていうくらい判らない。
なんか全体的に、
舞妓さんの世界を描きたい、とか
「マイ・フェア・レディ」のパロディをやりたい、とか、
いろんな思いがバランバランなまま映画になちゃった感じ。
多分、時間がなかったからじゃなくて、いくら時間があってもこうしかならなかったんだろうとは思う。
JUGEMテーマ:映画
「マイ・フェア・レディ」のパロディにする必然性が全くわからないのだ。
ソレはつまりレックス・ハリソンと長谷川博己の差であり(そりゃ長谷川博己が可哀想だわなぁ、、、)、作曲者の差である。
長谷川博己演じる大学教授が歌うシーンが、長谷川博己の歌の実力と曲のたいしたことなさと相まって、なぜ存在するのか全く解らない。
この映画が存在する契機が、例えばお坊さんだの大学相撲部だのダンス教室だの「存在することは知っているが良くは知らない」世界を面白く見せる、ということにあるとすると、「マイ・フェア・レディ」フォーマットは京の舞妓さんの世界を見せるのに邪魔にしかなってない。
イマドキ田舎から出てきて舞妓さんになろうとするなどは、それだけで奇特であり大変なのであって、何も津軽弁と鹿児島弁のバイリンガルを治す、などともう一枚乗っける必要はない。
実際、ほとんど出来てないし。
そんなことをやってる暇があったら松井珠理奈と武藤十夢のダンスシーンを復活させるべき。
結論から言って「日本でミュージカルはまだ(?)無理だなぁ、、、」と思わせる出来でしか無い。
かろうじて成立しているのは田畑智子が芸姑になる決意を歌い踊るシーン(このダンスシークェンスの上白石萌音ちゃんはたしかにかわいい)と、富司純子の若いころを演じる大原櫻子が恋人に会いに東京へ旅立つシーンくらいか(このシーンが比較的いいのは、「過去のハナシ」というフィルターのおかげのような気もするが)。
ラストで上白石萌音が歌い踊るシーンは、上白石の歌の巧さと相まって確かに圧巻ではあるが、バックが何にもしていないし、上白石の踊りも(良いことは良いが)、着物を着て踊る振付じゃない。
周防監督は事前に狸御殿シリーズでも見まくって、和服によるミュージカルの振り付けを学んで欲しかったと思う。
あと致命的な欠陥がひとつ。脚本上のアナをあげつらうのは誰にでもできることなのであまりやりたくないのだが、、、
そもそも主人公のの上白石萌音ちゃんが、なぜそんなに舞妓になりたいのか全然描かれてないの。
亡き母が舞妓だったということはかなり早い時点で観客に提示されるが、イマドキそんなに母親と同じ職業につきたいだろうか。
なにか重要な契機があるのだが、カットされちゃってるんじゃないかっていうくらい判らない。
なんか全体的に、
舞妓さんの世界を描きたい、とか
「マイ・フェア・レディ」のパロディをやりたい、とか、
いろんな思いがバランバランなまま映画になちゃった感じ。
多分、時間がなかったからじゃなくて、いくら時間があってもこうしかならなかったんだろうとは思う。
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