2014.12.23 Tuesday
「ゼロ・グラビティ」 タイトルは「Inertia」にすべき
デ・パルマの「ミッション・トゥ・マーズ」で1エピソードに過ぎなかったネタを、13年間蓄積された技術と、データを駆使して延々とやっている。
が、この13年間で一番変わったのは特撮技術やアイデアではなく、「ミッション・トゥ・マーズ」ではSFの一環としてやっていたことが、「リアル」な出来事として描かられるようになった、ということだろう。
結果、「SFだから」という逃げや遊びの許されない、リアルでアクチュアルな出来事として、90分の出来事を90分かけて描いているわけだが、この、ほぼ、リアルタイムという手法も含めて、映画というよりは、ディズニーランドのアトラクションのようなものになっている。
なんかこの映画の印象に一番近いのって、「キャプテンEO」とか「ビジョナリアム」じゃない?
90分の出来事を徹底的に突き詰めて90分かけて描いた考証力には恐れ入る。90分かけてなんとか生き延びる方法を考えて実行しなければならないのだから当然とも言えるが、一応起きること全てが面白いのはさすが。
このワンシチュエーションで一本の映画になる!と見抜いた慧眼もスゴいが、恐らく相当数のアイデアを取捨選択しているのであろう。
例えば、やっとの思いでたどり着いたロシアの宇宙ステーションの中で火災が起き、消火器で消化液を噴出させると、反作用で後ろに飛ばされてしまう。
次にこの宇宙ステーションを脱出するとき、彼女(サンドラ・ブロックね)はこのことを覚えていて、宇宙空間を移動する推力として消火器を利用するのだ。
そしてこのことに関する説明は一切ない。
後ろに飛ばされた事実と、推力として使う事実が、あくまでも事実として淡々と描かれるだけだ。説明過多病にかかった日本の映画監(以下略
原題は「ゼログラビティ」ではなく、ただの「Gravity」なのだが、最後の最後のラストカットで、なぜ「ゼログラビティ」ではなくただの「Gravity」なのか判るようになっている。
ただ、全編を通して、最も恐ろしいのは、無重力と言うよりは、慣性の法則である。
無重力、真空下の慣性の法則が、かくも凶暴なものだとは。
我々は重力と大気に守られた穏健な世界に生きているのだということを思い知らせてくれる映画でもあります。
JUGEMテーマ:映画
が、この13年間で一番変わったのは特撮技術やアイデアではなく、「ミッション・トゥ・マーズ」ではSFの一環としてやっていたことが、「リアル」な出来事として描かられるようになった、ということだろう。
結果、「SFだから」という逃げや遊びの許されない、リアルでアクチュアルな出来事として、90分の出来事を90分かけて描いているわけだが、この、ほぼ、リアルタイムという手法も含めて、映画というよりは、ディズニーランドのアトラクションのようなものになっている。
なんかこの映画の印象に一番近いのって、「キャプテンEO」とか「ビジョナリアム」じゃない?
90分の出来事を徹底的に突き詰めて90分かけて描いた考証力には恐れ入る。90分かけてなんとか生き延びる方法を考えて実行しなければならないのだから当然とも言えるが、一応起きること全てが面白いのはさすが。
このワンシチュエーションで一本の映画になる!と見抜いた慧眼もスゴいが、恐らく相当数のアイデアを取捨選択しているのであろう。
例えば、やっとの思いでたどり着いたロシアの宇宙ステーションの中で火災が起き、消火器で消化液を噴出させると、反作用で後ろに飛ばされてしまう。
次にこの宇宙ステーションを脱出するとき、彼女(サンドラ・ブロックね)はこのことを覚えていて、宇宙空間を移動する推力として消火器を利用するのだ。
そしてこのことに関する説明は一切ない。
後ろに飛ばされた事実と、推力として使う事実が、あくまでも事実として淡々と描かれるだけだ。説明過多病にかかった日本の映画監(以下略
原題は「ゼログラビティ」ではなく、ただの「Gravity」なのだが、最後の最後のラストカットで、なぜ「ゼログラビティ」ではなくただの「Gravity」なのか判るようになっている。
ただ、全編を通して、最も恐ろしいのは、無重力と言うよりは、慣性の法則である。
無重力、真空下の慣性の法則が、かくも凶暴なものだとは。
我々は重力と大気に守られた穏健な世界に生きているのだということを思い知らせてくれる映画でもあります。
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