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評価:
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¥ 13,000
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最近また映画にオープニングを付けるのが流行ってるんだろうか。この映画もやたらと凝った映像のオープニングが延々と付いてます。
どれくらい延々かというと、ゼップの「移民の歌」(の誰だか知らない人のカバー)がまるまる一曲かかるくらい。
この曲、北欧から西の大陸に攻め込んで来た征服者達(要はヴァイキング)がさんざっぱら暴虐の限りを尽くした挙句、「戦いをやめて街を再建しよう!」とかほざきだす、というまったくもって身勝手な内容なのだが(この詩の言うところの「西の大陸」がどこか、については諸説ある。もともとイギリスがヴァイキングの侵略を受けていいたことは有名で、作詞者のロバート・プラントがイギリス人である以上、当然イギリスである、と言う説と、「西の大陸」と言う以上アメリカである、と言う説がある。事実、コロンブス以前にヴァイキングはアメリカ大陸に侵攻していたらしい。アメリカ先住民に負けて敗退したらしいが)。
デヴィッド・フィンチャー、スウェーデン発の原作が怖いんだろうか。
それとも自分がスウェーデンまで行って映画を撮るのは昔攻めこまれたことへの復讐だよってつもりかな。
主演がダニエル・クレイグと聞いて、それはダメだろ、と思ったのね。
スウェーデン版を観た時にも思ったが、ミカエル役はもっと優男じゃないとイカンと思う。原作者はハッキリ言っていたではないか。「ヒーローとヒロインの役割を逆転させている」と。
男勝りのダークヒロインと、優秀なジャーナリストで正義漢ではあるが、誘われれば誰とでも寝る貞操観念ゼロのヒーロー。ダニエル・クレイグじゃ別にリスベット居なくても独りでなんでも解決できそうじゃん。
と思っていたのだが、、、
ゴメンナサイ、ダニエル・クレイグの演技力舐めてました。ちゃんと、オンナに頼って生きてる脆弱なインテリを表現できてた。そう言えば「カジノ・ロワイヤル」の冒頭でも、初めての暗殺の後、びびってたっけ、、、
「ソーシャル・ネットワーク」のヒロイン、エリカ役だったルーニー・マーラちゃんのリスペットも、好評だったノオミ・ラパスに劣らぬ出来。ノオミ・ラパスや原作のイメージよりオッパイでかすぎるきらいはあるが、この際許しちゃう、って言うか好評を持って迎えちゃう!!(ヲヤヂはよぉ、、、)
スウェーデン版を観た時、「ストックホルムの風景が興味深い」と書いたが、このハリウッド版はその辺を巧妙に逃げてるっぽいのがまた興味深い。
なんかストックホルムの風景があんま映んないのね。
ひょっとするとアメリカ人には「コレがスウェーデン最大の都市の風景だ!」と言っても通じないのではないか。ヘタをするとゲラゲラ笑い出したりしかねない心配がある。「なにロケ費ケチって田舎でロケしとんねん」と。こんなもんが曲がりなりにも白人の国の最大の都市なわけはない、と。
難儀な国だなぁ、、、
あと、犯人役の役者さんはミスキャストでしょ。決して悪役専門の役者さんではないが、もうちょっと柔和な印象の役者さんじゃなきゃ、すぐ解っちゃうんじゃないの。やっぱりコレくらいわかり易くないとアメリカ人に受けないのかしら。
ホント、難儀なく(ry
さて、当ブログの読者なら(居ません)、当ブログではデヴィッド・フィンチャーを、いつも「迷宮に囚われたヒト」のハナシを撮る監督、と規定してきたことを覚えているはずだ(だから居ません)。
今回のストーリー上の主役、ミカエルは映画が始まってすぐ迷宮に叩き込まれるが、真の主役リスペットはまだ抜け出せていない。映画の最後でチラッと言及される彼女の父親に代表される、「女を憎む男たち」(コレは原作の副題でもある)と言うなの迷宮から。
願わくは、あと二作ルーニー・マーラちゃんと迷宮巡りができますことを。JUGEMテーマ:
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