2012.06.24 Sunday
「モールス」 小さな吸血鬼のメロディ
まあ、「キック・アス」のヒット・ガール、クロエ・グレース・モレッツちゃん目当てですが。
ヴァンパイアをモチーフにした恋愛映画ってイッパイありそうだが(て言うかほとんどうそうって気もする)、主人公が12歳っていうのがミソかなぁ、、、
で、ありがちな恋愛ヴァンパイア映画ってさ、だいたいどっちつかずになっちゃうのね。そもそも企画の発端が、その時のその時の人気の若手連れてきて、「ホラホラ、○○がヴァンパイアですよー」「○○がヴァンパイアに恋をしますよー」っつって終わっちゃってる気がする(イヤ偏見だろ、具体例を挙げろよ、、、)。
もちろん大金かけてヴァンパイアメイクとか超絶アクションやってるんだけど、結局ホラーとしてもラブストーリーとしても中途半端、みたいな(だから、、、)
そこがちゃんと出来ている、と言うのがこの映画の売りだろう。
12歳のイノセントのおかげだろうか、ちゃんと淡い恋の物語としても成立していて(先々を考えると「淡い」ではすまないのだが)、ホラーとして恐怖感もそこそこあって、奇跡のようなバランスを維持している。
特撮部分が意外なほどショボイのは気になるが、覆面オヤジの2回目の襲撃シーンのサスペンスはなかなかのものではないか。このシーンはシーン終わりの超斬新なカメラワークと相俟って、深夜のリヴィングで思わず拍手しそうになるほどの迫力。
コイツら、なかなかの手練なのだ。
雪の降りしきる田舎町で繰り広げられる12歳の少年の孤独と淡い恋心、そしてヒリヒリとした恐怖。
そこにボコン、ボコンと激しいアクションとグロを放り込んで、全く散漫にならない構成力というか、映画全体を制御するしたたかさに感服した。
ところでこの映画、時代設定がレーガン政権下になっている。
コレについて監督はレーガンが行った善と悪についての演説を使いたかったとかナントカほざいているが、要はその辺にしないと携帯とか出てきてちゃってモールス信号が使えなくなるからじゃ、、、 JUGEMテーマ:映画