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マジックソープ ベビーマイルド 236ml
マジックソープ ベビーマイルド 236ml (JUGEMレビュー »)

中年オトコが石鹸をオススメかよッ!!と言うなかれ。ワタシはコレをガロンボトルで買い込んでます。
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「スペル」 コレはもう、サム・ライミの宿痾のようなものかも、、、

 「スパイダーマン」シリーズで功成名を遂げたサム・ライミが、初心に戻ってドシャメシャホラーを撮ってみました、と言うことか。
 実際、風に乗って窓から悪霊が入って来るカメラワークなんかは「死霊のはらわた」にソックリ。リメイクではないかと思うほど。
 「死霊のはらわた」シリーズは「死霊のはらわた2」の段階で「死霊のはらわた」の「前作がヒットして金が出来たんで、改めて金かけてみました」的なリメイクだったんだが、今となっては手にした金の額も2桁(もっと?)違うし、演出術もテクノロジーも大幅に向上してるんで、「今の腕とテクノロジーで作るとこうなる」的なリメイクのつもりなのではないか。

 銀行員のねーちゃんが融資返済の延長を頼みに来たロマ族のババアを冷たくあしらったことで恨みを買い、呪われるハナシ。厳密に言うと延長を断ったからではなく、断る過程で「恥をかかせた」から、と言う所がポイントか。
 このおねーちゃんがホラー映画のヒロインとしてはエラくポジティブな性格な所が現代的。
 終始一貫して、金持ちインテリの彼氏と銀行内での出世をゲットするためにジタバタしてる。ジタバタしながら呪いとも戦わなきゃならん。ラストあたりはまさしく「戦うヒロイン」映画の系譜に連なる事を証明せんかとするばかりの頑張りぶり。
 そもそもねーちゃん自身は気の毒なババアのために延長を認めてあげたくて上司と掛け合うのだが、昇進を餌にされて断らざるを得なくなる。同情よりも出世を選んだわけだ。
 さらに呪いに使われる悪霊と、後にヒロインが頼ることになる呪術師との因縁もさりげなくオープニングで提示されてたりして、日記とテープ(オープンリール)だけで悪霊の正体を暗示してた「死霊のはらわた」の頃とは、脚本も格段に深みを増してますなぁ、と言う感じ。

 金持ちインテリの彼氏がいかにも頼りなさそうなルックスで、「コイツはすぐ脱落するな、、、」と思わせておいて最後まで愛を貫くあたりが、ヲタクの味方サム・ライミらしい。ルックスの冴えないインテリヲタク=善の公式はスパイダーマンシリーズと同じですな。

 ここまででお解りの方もいるかも知れないが、コレ、実はホラーコメディなのね。相変わらずのリアリティを失うほど過剰な恐怖演出とヒロインの呪いを解くためには(ひいては出世と彼氏をゲットするためには)多少の悪事は辞さないドタバタぶりが、明らかに笑かしにかかってる。
 前にも書いたが、オレは最初の「死霊のはらわた」の時点では、サム・ライミは別に笑かすつもりはなかっと思ってる。が、世界中があまりに臆面のないホラー演出に大笑いしてしまったために、サム・ライミは自分にはコメディセンスも有ると勘違いしてしまう。
 コレが一時期のサム・ライミの低迷の理由だとオレは思ってる。
 「ギフト」や「スパイダーマン」を経て、その辺の自覚とバランスが取れてきたかなぁと思ったが、やっぱり初心に帰ると弱点が露呈してしまう。
 正直、コメディとしては全然オモシロくないよね。
 流石に構成や人物造形が上手くなっているので一応最後まで退屈せずに観れるが、ホラーとしてはグロテクスなだけでリアリティ皆無、コメディとしてもなんか出来てない、と言う映画になっちゃった気がする。

 ところで、コレ観て「ロマ族への偏見を助長する」とか言って怒るヒトいないの?
 いや、ロマ族はアメリカではジプシーと呼ばれてるはずで、その辺がポリティカリー・コレクトな配慮なのかも知れないが(原語でなんて言ってるかは聞き逃しました)、ポリティカリーにコレクトだったらどう描いてもいいってもんじゃないと思うが、、、
JUGEMテーマ:映画

at 20:25, 空中禁煙者, 洋画

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「結晶銀河」 キーワードは「美少女」と「脳」

 編者自らが「過去一番ガチのSFが揃った」というだけあって、なるほどこのシリーズでは一番面白い。中でも一番の傑作が同じ編者の「NOVA2」に載っていた「五色の船」だというのはちょっと問題な気もするが。
 この、「五色の船」は多分これからも色々なアンソロジーに収録され、名作として語り継がれるであろう超弩級の傑作ではあるので、年間傑作選への収録自体は問題ないが(逆にコレが収められてなかったら、ちょっと片手落ちどころか両手落ちであろう)。それぐらいの、夢でしか出会えないと思っていたような美しい作品。
 しかし作者自身は「ワンダー5」と言うタイトルにしたかったらしいが、どちらにしろタイトルのセンスは悪い気がする。

 冒頭の冲方丁の「メトセラとプラスチックと太陽の臓器」が、全世界的な新人類の誕生を、「新人類を妊娠した妻を持つ夫」の目線で描くと言う発想が斬新で、のっけから、ハハァ、この巻はいつもと違うぞと予感させる。
 
 あとは初出は同人誌という伴名練「ゼロ年代の臨界点」が傑作。ゼロ年代SFを概観する文学史なのだが、あっと驚く仕掛けがしてあって、レムの「完全なる真空」とかキルゴア・トラウトとか言う名前が浮かんだりする。と、訊いて「ハハァ、あの手ね、、、」と思ったあなたはまだ甘い。さらに驚くべき設定で、この「ヤラレタ、、、」感は自分で読んで味わってください。

 ところでこの「ゼロ年代の臨界点」を含めて3作品が「美少女」に対するフェティシズムを横溢させているのは気になる点ではある。やっぱりそれが今のSFということなんだろうか。
 
 あとは上田早夕里にしろ「ゼロの〜」以外のロリコン作品にしろ、脳をアレコレして認識をどうこうするのも最近のSFの流行りのようだ。つまり山本弘と長谷敏司は2重の意味で2010年の日本をSFを象徴しているわけだ(代表してる、とは思いたくない)。

 創元新人賞の西島伝法「皆勤の徒」は造語を駆使して異様な世界を描く、「地球の長い午後」か「アド・バード」のような感触。
 おそらくは自分の頭に浮かんだイメージを何とか文字に定着させたくて造語に頼っているのだろうが、最後に無理やり「絵」を載せていることも含めて、逃げにしか思えない。密度が濃すぎてオレの想像力が付いて行ってないだけかも知れないが、上手く読者の想像力を喚起するように書いているとは思えない(「地球の長い午後」や「アド・バード」はそこがちゃんと出来てる)。

 今までで一番面白いと言っておいて何だが、編者大森望が言うほど今が「日本(短編)SF」の黄金時代かどうかは判断に迷うところ。
 SFは別にそんなに科学的に厳密である必要は無いんだが(「五色の船」なんて全然科学的じゃないが、SFとしか言い様がない)、その辺のごまかし方が下手な作がいくつか見受けられるのが気になる(特に小川一水の「アリスマ王の愛した魔物」。とんでもない数学の天才と、人間の脳を素子として使うコンピューターの発明はちょっと次元が違う気がして、最後まで気になった)。もっと周到にか、あるいは抜け抜けと嘘をついて欲しいものだ(イヤ、ホント。「五色の船」と「ゼロ年代の臨界点」は全く危なげなく抜け抜けと嘘をついてけつかる)。
JUGEMテーマ:小説全般

at 18:13, 空中禁煙者, 書籍

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「ゾンビランド」 ある意味「ゴーストバスターズ」の続編(嘘

 ゾンビ世界を舞台にしたコメディーだが、特にメチャクチャ笑えるわけでもないし、特に怖いわけでもない。じゃつまらないかっつーっとそこそこ面白いっつー、、、

 この映画、ホラーとコメディ意外にもいろいろな要素を持ってるのね。ロードムービーでもあり、バディムービーでもあり、青春映画でもあり、イマドキはやりの童貞ヲタクがなんとか彼女をゲットするハナシでもある。
 で、ホラーとコメディって目につきやすい要素よりも、そういう観てみないと判らない要素のほうが面白かったりする。
 最初は互いに嫌っていた4人が仕方なく協力していくうちに、、、と言うバディムービーとして、臆病さ故に生き抜いてきたヲタクが詐欺師姉妹のハスッパなねーちゃんに惚れてしまう恋愛映画として、スゴく良く出来てる。むしろコレ等を際立たせるためのゾンビ世界なのかも知れない。

 臆病なヲタクに「ソーシャルネットワーク」からスライドしてきたような(へとスライドしていくような?)ジェシー・アイゼンバーグ。ヲタクの似合う役者さんだなぁ、、、将来どうするんだろ。
 ヲタクが最初に出会うマッチョなオッサンにウディ・ハレルソン。ちょっと頭のオカシイ粗暴なオトコと思わせておいて、実は心優しい頼りになるオッサンがコレまたよく似合う。
 ビッチな詐欺師姉にエマ・ストーン。妹に最近名子役としてのしてきたアビゲイル・ブレスリン。
 基本的に生きている人間はこの4人しか出てこないのだが、唯一ビル・マーレーが驚愕すべき役柄で出てくる。彼の退場の仕方はだいたい予想がつくのだが、流石にこの役には笑った。

 ゾンビ映画の特徴の一つは、映画が終わってもたいてい何の解決にもなっておらず、様々な思索を促すこと。
 この4人もこれからこの世界でどうやって生きて行くのかなぁと、後からいくらでも想像して楽しめる。男女比2:2のグループなのだが、オトコの若い方と姉妹の姉がくっついちゃって、年上男と妹はどうすんのかなぁ、、、とか。
JUGEMテーマ:映画

at 15:50, 空中禁煙者, 洋画

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「悪人」 タイトルは『愚者』のほうがふさわしい。

 またぞろ「何をいまさら、、、」と言うハナシになってしまうんだが、深津絵里さんの上手さ存在感魅力に打ちのめされました。「『踊る大捜査線』出てるサバサバした雰囲気の色気のない女優さん」と言う印象しかなかったが、本作で見せるドロドロした行き遅れ女の情念とエロさには意表を突かれた。もう、二日間くらい深津絵里さんのことしか考えられない。

 とは言うものの、別に深津絵里さんの魅力だけの映画ではない。
 実を言うと深津絵里さんが出てくるまで結構時間がかかるのだが、それまでも退屈はしない。
 妻夫木クンの荒んでいて、それでいて孤独な目、満島ひかりの幸せを掴むために必死なアーパーぶりで充分に映画一本引っ張っていけそうでもある。
 リアルな時制に、登場人物の心理に合わせて過去を混ぜていく、回想シーンともちょっと手触りの違う構成も、観客を混乱させることもなく効果を上げることに成功していて、見事。
 人物の心理を掬うこと、人物の心理に合わせた演出が得意な監督なのかな、とも思う。役者の生理を掬うことにしか興味がなかった相米慎二と近いところにいるヒトなのかもしれない。

 公開時のキャッチコピーに「誰が本当の悪人なのか?」とあり、このハナシのテーマは、単に殺人犯が悪いのではなく、殺人に至らしむるほどの憎悪と恐怖を生んだのは誰なのか、を問うことなのだろう。
 が、残念がら、悪人と言うほどの悪人は出てきて無いようにも思う。
 主役の二人、妻夫木クンと深津絵里さんを含め、主要な人物の4人(イケメンボンボン大学生の岡田将生とアーパー保険外交員の満島ひかり)共、ただ、ひたすら愚かだな、、、と思う。
 岡田→満島→妻夫木と雪だるま式に愚かさが増幅されて行き、最終的に殺人に至るほどの巨大な愚かさにまで膨れ上がってしまう。
 彼らは別に悪いことをしようと思っているわけではない。ただ、愚かなあまり、自分の感情をどう処理していいのか解らないだけだ。
 そして、僕達は少しづつ愚かで、少しづつ自分の感情をどう処理していいか解らない。

 一応殺人とは関わりのない、深津絵里さんの役もまた愚かで愚かでどうしようもない。冷静に考えれば彼女は何もしていないのだから、どうしてもブッキーと逃げたいのなら、ブッキー独り灯台にでもどこにでも匿っておいて、自分はおもむろに勤めを退職して、東京か東北にでも二人で逃げればいいのだ。
 とにかく「先のことを考えて冷静に行動する」等と言う価値観とは徹底的に無縁のヒトたちの話であり、そこが何か不思議なリアリティを生んでいる。
 よくわからないが、コレが九州的と言うことなのかもしれない。

 前半深津絵里さんが出てくる前もテンポが良かった演出ではあるが、後半、二人が灯台に篭ったあたりからどんどんグダグダになってくる。イヤ、二人が出てるシーンはいいのだが、被害者満島ひかりの父、柄本明のシーンと、ブッキーの祖母樹木希林のシーンが余計。
 原作者を脚本に呼んでしまったために、原作者の思い入れがそのまま反映されてしまったのだろう。個々の人物をじっくり書き込める小説ならいいが、映画でこの二人のシーンはよほどテンポよくやってくれないと、「もっと深津絵里さんを観せろ!!」ということになりかねない。
 まあ、深津絵里さんのシーンが増えたからと言って、チクッたりしてくれるわけではないだろうが。
JUGEMテーマ:映画

at 23:05, 空中禁煙者, 邦画

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更新数稼ぎでたまには随筆風に、、、 スター・ウォーズと国家の部品数

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¥ 12,600
コメント:このBlu−ray版は観てないので評価はしません(DVD版は持ってる)。つかこの記事内容でこれを貼るのも卑怯な気が、、、

  例えば日本車とアメ車を比べてみる。日本車のほうが技術的に劣っていると思うヒトはいないだろう。むしろ大抵の場合日本車のほうが(全体としての魅力はともかく)技術的には優れていると評価されるだろう。
 スーパーコンピューターは世界一になったし、誰も日本が科学技術で遅れている国だとは思わない。

 

 だが航空機はどうだろう。日本の航空会社が買っているのはほとんどアメリカ製だ。
 宇宙ロケットは?アメリカは60年代に月にヒトを送っているのに、日本は未だに有人飛行すら出来ず、アメリカやロシアに金払って乗せてもらってる始末だ。
 科学技術で劣ってるわけじゃないのになんで日本は飛行機や宇宙ロケットでは遅れをとるんだろう。

 

 日本ロケット工学の父、糸川英夫博士は、コレを戦後日本が巨大システム設計技術を育てるのを怠ってきたからだと言っていた。
 戦前には巨大システムを設計する土壌が有ったのだという。例えば巨大戦艦とか。
 ところが戦後、GHQの意向だかそもそも日本国民が平和志向になったからだかなんだかわからないが、巨大システム設計技術は育っていない、と。
 平和志向になると巨大システム設計システムが失われる、というのもちょっとなんだか問題なしとしないが。
 自動車の部品数は2万〜3万程度だが、航空機となると部品数はその数十倍、宇宙ロケットとなると更に数十倍になる。
 つまり(今の)日本人は2〜3万程度の部品数のシステムを作るのなら大得意だが、その数倍、数十倍の部品数を必要とするシステムは、すっかり苦手になっている、ということらしい。
 戦後、とか、今の、荷は納得行かない気もして、要は日本人の国民性ちゃうんかいと思わないでもない。戦前に巨大空母が可能だったのは、戦争遂行という目的のために他の何か(と何かと何か)を犠牲にした結果ではないのか、とか。例えば乗員の安全と居住性、とかね。

 

 戦後の問題なのか国民性の問題なのかはともかくとして、この傾向は映画界にも当てはまるようでもある。
 日本映画界は、ついにハリウッド超大作のような巨大なプロジェクトを完遂させることができないではないか。
 
 日本映画界では昔から、「映画屋に1億円の予算を与えても、9千万円は呑んでしまい、結局予算1千万の映画と同じ規模の映画しかできない」と言われて来た。
 実はオレはコレは「娯楽に対して言い訳を必要とするか否か」と言う問題だと思っていた。日本人は娯楽を娯楽として貫徹できず、つい言い訳してしまうのである。やれ人間の真実を描いている、とか、観た人を元気づけたい、とか、素直に「面白いから」と言う理由で娯楽ができない。下手すりゃ「面白きゃいいのか?」などと言い出す奴まで現れる始末だ。こういうお国柄では「スター・ウォーズ」のような一切言い訳のない映画は生まれないだろう。

 

 「スター・ウォーズ」で思い出したが、子供の頃、オレが映画館で観てきたスター・ウォーズのストーリーを食卓で家族に説明していると、今は亡き父親が「でも最後は結局科学文明への批判になってるんだろ?」と言いやがった。父にとっては「SF=科学文明への批判」だったらしい。幼少のみぎりの空中さんが、そんなことはなく、何に対しての批判も含まれていない旨、説明すると、「それじゃなんの意味もないじゃないか」とのたまった。
 単なる娯楽にはなんの意味もないとする、典型的な日本人の発想なのかもしれない。
 まあ、SF=子供だましだと思ってないだけ、当時の大人としてはマシかもしれないが。

 

 しかしよく考えると、娯楽に言い訳が必要説では、超大作が作れないことをうまく説明できないところもある。要は小規模な映画でも言い訳は必要としてるもんね。
 やはり日本人にはハリウッド超大作のような巨大プロジェクトはハンドリングできないのだろうか。
 やれCGだ、やれモーションコントロールだ、やれエキストラだっつってるうちに、部品数は航空機に匹敵するのだろう。
 日本映画はいくらでも世界に通用する傑作を作れるが、それはある程度の規模に限られるのだろう。
 これは部品の絶対数の問題なので、相対的な問題ではない。
 黒澤の「隠し砦の三悪人」や「天国と地獄」は当時の超大作だったろうが、部品の数はまだ日本人にハンドリングできる範囲だったのだろう。

 

 ハナシは変わりますが日本の総理大臣ですよ。
 このブログは映画や書物にまつわるよしなしごとを書き連ねていくつもりなので、どんな党派にも与するつもりはないのですが、ここ、5代にわたって日本の総理大臣が全く任期を全うできていないのは、皆様もご承知かと思います。
 長く政権を担当してきた党による内閣が、3代続いて自滅したので、試しに政権交代までさせてみたら、コレも2代にわたって任期いっぱい務まりそうにありません。

 

 何だコレは、と。
 コレ、もうダメなんじゃねーの?と。
 恐らく、日本の総理大臣がハンドリングしなければならない案件の数が、日本人にハンドリングできる限界を終えているのではないか。
 戦後復興とか高度経済成長とか、かなり強烈な目的意識があったうちはまだいい。細かいことにはある程度目を潰れたから(いや良くはないが)。
 しかしこうも景気にも人権にもなにもかにも配慮しなければならない時代、日本という国家の部品数は、宇宙ロケットクラスに跳ね上がっているのだろう。
 この問題が解決しない限り、恐らくはどの政党が政権を担当してもダメだろう。どの総理も任期いっぱいもたないだろう。
 じゃあ、どうすればいいのと言うハナシだが、、、

 

 糸川博士の言うように戦後の問題なら、慌ててどうにか出来るようにするだろう。
 そうじゃないなら、多分、国家のあり方をもう一度考えなおさなきゃいけないんだと思うが、えっと、誰主導で考えなおせばいいんでしょうねぇ、、、

at 19:12, 空中禁煙者, 雑感

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「傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを」 事件とオサムのスケールが合わない

 ハナシの大前提としてまずオレがテレビドラマの「傷だらけの天使」の大ファンだということは言っておかなければならないだろう。さすがにDVDを全部買ったという程ではないが、何年か前にケーブルテレビでやっていた時に録画して、全話DVDに落としたと言う程度のファンではある。
 しかも矢作俊彦もそこそこ好きではある。「スズキさんのなんたらかんたら」以降文学づいてしまったが、初期のハードボイルドは大好きだったし、「マンハッタン・オプ」はとんでもない傑作だと思ってる(最近でも「ら・ら・ら・科學の子」は傑作だった)。
 そんなキズテンと矢作俊彦のコラボなわけで、これはもう、期待もいやが上にも盛り上がろうというものである(じゃハードカバーで買えよッ!!)。

 で、ですね、、、
 コレ、オレは割とダメでしたね、、、
 Amazonのレビュー辺りでは絶賛の嵐だったんだけどねぇ、、、

 本書を読むにあたって基準の一つにしようと思っていたのは、木暮修に50過ぎたショーケンをアテて読んでみてしっくり来るかどうかであった。
 コレ、最後までダメでしたね。ついにオレの脳内でショーケンが暴れだすことはなかった。最後まで違和感がつきまとった。
 矢作俊彦も当然キズテンのファンに違いないわけで、矢作俊彦の脳内ではちゃんとショーケンがアバアレ回ってたのかなぁ、、、

 ひとつには、事件自体のリアリティがないって言うのがあるのね。いや、事件のアイデア自体取り出してみると、決して悪く無いと思うんだけど、オレの考えるキズテン世界とマッチしない。ココ数年(数十年?)日本のミステリーに感じてる違和感をやっぱり感じてしまった。
 せっかく等身大の登場人物を配しているのに、事件がリアリティ無くなるほど大掛かりなのね。この事件自体、別の設定、別のキャラクターでやれば充分面白くなったような気がするのだが、キズテンって、木暮修ってそういうもんじゃないでしょ?
 裏で綾部貴子が扱っていたらしい案件はともかく、オサムとアキラが絡む事件は、いつももっと、下らない、セコイ事件だったはずだ。この世界観の中で、年取ったとは言えあのオサムが自由に暴れまわるのは無理なのではないか。

 そのくせ過剰な懐古趣味も漂わせている。伝説の最終回で起きたことは、ほとんどすべて描写されてしまっていると言ってもいい。こういう事は前提扱いで匂わす程度にしてくれないと、正直言ってちょっと恥ずかしい。辰巳のハゲネタとか小さいくすぐりも、もう、分かってるよ、オレだって観てたんだからさ、と言う感じ。

 アキラに代わる新しい相棒も得て、続編への色気満々の終わり方にしてるんだから、次は是非、北の国を舞台にもっとセコい事件でお願いしたい。

 矢作俊彦もシンタローが嫌いで「ブレードランナー」が好きなのが判ったのは収穫でしたが。
JUGEMテーマ:小説全般

at 19:47, 空中禁煙者, 書籍

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