2008.04.30 Wednesday
「コラテラル」 説教ヒットマンの憂鬱
トム・クルーズ,ジェイミー・フォックス,ジェイダ・ピンケット=スミス,マーク・ラファロ,マイケル・マン,スチュアート・ビーティー
¥ 1,340 |
・トム・クルーズがミスキャスト。
これらの批判は正しい。でもいいじゃん。それらを超えて魅力的。
なにが素晴らしいって言って、トム・クルーズの体の動きが、ちゃんと特殊部隊出身の殺し屋の動きになってるのが素晴らしい。立錐の余地もなく人々が踊り狂う巨大クラブで、客、ターゲットのボディーガード、FBI、麻薬課の刑事、なんか勘違いしてるギャングが入り乱れる中、捕まらずに暗殺、ってそりゃいくらなんでもムリだろと思うのだが、この時のトム・クルーズの動きのシャープさを観てると、「おお、、、可能なのかも、、、」と思えてくる。
これは凄いことだ。
これこそミッション・インポッシブル、不可能を可能にする男だ。
もっともDVDのこととてこのシーンを次の日もう一度見直したら、ひどく冗長な演出だった。でも、それでいいんだと思う。二度目観た時冗長に感じるくらいじゃないと、一度目に訳わかんなくなるのかもしれない。
運ちゃんが悟りを開いちゃうシーンなんかも、よく考えると何言ってんだか分んないんだけど、観てる間は「おお、この後きっと凄いことするぞ、、、」って気にさせる。この辺はカメラワークや音楽も合わせた演出の巧さも感じる。
マイケル・マンのスタイリッシュでやや無機的な映像もよく雰囲気を捉えてる。ロサンゼルスの夜景とタクシー内部がスムーズに繋がるカメラワークも、お見事。街中の風景はホントのロサンゼルスじゃないんだろうけど。
ただ、初期設定を丸飲みしちゃったとしても、どんどん苦しくなってくるのはいかがなものかとは思う。途中で二人でいるとこ警官にも見られちゃってるし、前回の手(最初の方で麻薬課の刑事が、「去年、一晩で3人殺したタクシー運転手が直後に自殺した事件があった」とか言うのね。今回も最初はこの手で行くつもりだったのは明らかな訳)は使えないのに、なぜこの運ちゃんにこだわるのか、と。その辺、何らかの説明が欲しかった。
「おまえは腕がいい」とか言うんだけど。
もう、腕のよさより危険の方が多いだろう、と。
あと、明日のジョーみたいな最後の最後はいいんだけど、その前の5人目のターゲットに絡むアクションがショボイ。と言うかアクションにしちゃったことが残念。今まで何にも出来ないもどかしさが良かったのに。急にどうでも良くなった感じ。
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