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マジックソープ ベビーマイルド 236ml
マジックソープ ベビーマイルド 236ml (JUGEMレビュー »)

中年オトコが石鹸をオススメかよッ!!と言うなかれ。ワタシはコレをガロンボトルで買い込んでます。
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「ヨコハマBJブルース」 優作のインナースペースに打ち込まれた財津一郎

 WOWOWの優作特集で、数十年ぶりに鑑賞。

 

 「傷だらけの天使」、「ロング・グッドバイ(ロバート・アルトマンの映画版)」、工藤栄一、と自分の好きなものを集めてどうしても一本作りたかった松田優作の自己満足映画。
 

 だが、それがいい。

 

 正直言って「傷だらけの天使」にも、「ロング・グッドバイ」にも遠く及ばない。
 せっかくの工藤栄一も活かしきれているとは言えない。むしろ仕方なく優作のワガママに付き合ってやっている、と言う感じすらある。
 特に工藤栄一はこの直後に「野獣刑事」と「逃れの街」という、傑作を撮っているだけに、ここでの投げやりぶりが目立ってしまう。
 工藤栄一による時代劇の二大傑作が「十三人の刺客」と「大殺陣」だとすれば、現代劇の二大傑作は、この二本だろう。間違っても「ヨコハマBJブルース」ではない。

 にもかかわらず、「ヨコハマBJブルース」は何度も観たくなる映画なのだ。それこそ傑作「野獣刑事」や「逃れの街」よりも何度も。

 

 優作マニアのための映画だろ、と言われれば否定できない。
 事実ワタクシ空中さんも優作マニアだから。

 工藤栄一による美しくも硬質な映像の中で、いつも「オマ、フザケンなよこの野郎!」的な演技を封印して、ゆったりとセリフを吐く、ひとつもカッコよくないファッションと、丸山昇一による気取ったセリフ回しで身を固めた優作を漫然と眺める、という快楽に身を任せるられるものだけが、この映画を楽しめるのかもしれない。

 

 ただ、コレだけは言っておこう。
 工藤栄一はこの映画にひとつだけ、優作のインナースペースを破壊しかねない破壊力を秘めた楔を打ち込んでいる。

 

 財津一郎による変態ヤクザだ。

 コレは強烈無比な楔だ。

 

 財津一郎といえばそれまで「非っ常にキビシーーーー!!」だの「○○してチョーダイ!!」など、突然奇声を発して笑わせるのが得意な、歌のうまい洒脱なコメディアンのイメージである。
 しかるにココでは、ヘンタイ性と暴力の雰囲気を全身から発散させる、「キケン」だの「アブナイ」だのの張り紙を全身に張られても仕方がないような犯罪組織のオヤブンだ。

 しかも、恐ろしいことに、ココにいるのは紛れもなくあの「非っ常にキビシーーーー!!」の財津一郎なのだ。

 突然、全然違う役柄を始めたわけではない。

 あの、財津一郎のまま、危険極まりないヤクザなのだ。

 

 一体全体誰がこの役に財津一郎を持ってこようと思ったのか。
 おそらくは配役した人間の期待を遥かに超える危険度であっただろう。

 

 事実、この後財津一郎は映画では悪役ばかりになってしまい、「逃れの街」では、より暴力的で身勝手なヤクザのオヤブンを演じて、見るものの心胆を寒からしめた。

 

 優作は亡くなって、財津一郎はまだ生きている。相変わらずタケモトピアノのCMなんかでて赤ん坊を泣き止ませている。

 今となってはこの映画は、優作の自己マン映画というよりは、財津一郎が初めてヤクザを演じた映画として記憶されるべきなのかもしれない。

JUGEMテーマ:映画

at 20:18, 空中禁煙者, 邦画

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「ほんとにあった!呪いのビデオ 66」 いくらなんでも探検しすぎ!

 今回は何故か「業界内ネタ」が多い。
 大ネタ小ネタともに、「ほん呪」と同じような「恐怖映像を(作って?)販売する会社」から流出したネタが複数あるのだ。

 コレは今までになかった傾向である。
 一応、唯一と言って良いくらい安定した人気を誇る「ほん呪」シリーズ以外の「投稿系恐怖映像」は淘汰されて、残骸が「ほん呪」製作委員会に流れてくるんだろうか。
 これからこの系統が増えてくるんだろうか。

 

「ぎょうさん」
 心霊スポットとの噂のあるトンネルを探検する被写体二人の背後に、トンネル全体を埋め尽くすような巨大な顔があらわれる。
 要するにゲゲゲの鬼太郎で言うところの「たんたん坊」とか「大首」みたいなものだが、地元の伝承で「ぎょうさん」というらしい。

 タレ目で全体のバランスの崩れた造形(って言っちゃ駄目なんだけど)は良いが、惜しむらくは微動だにしない。

 

 この映像は心霊DVD用であり、被写体の女性二人はライターだそうである。
 というわけで早くも「業界内ネタ」の一本目。

 

「声」
 アパートの一室。
 隣の部屋から「アノ声」が聞こえてくるので、スマホに自撮り棒を付けてベランダから隣の部屋を撮影してみると、「不可解なもの」が写っている。

 トリッキーなのは「アパートの隣の部屋」と言うシチュエーションとか、そのシチュエーションにふさわしい「不可解なもの」とかに関わらず、この「不可解なもの」が隣の部屋に憑いている霊ではないと言うことだ。
 なんと撮影者の中学時代の友人なのである。

 

 意外な形で古い友人の近況を知ることになった撮影者ではあったが、いくら考えてもなぜ友人の近況が製作委員会にわかったのかが判らない。

 

「残留物」
 廃墟モノ。
 しかも生活臭の残る廃墟モノ。

 

 クローゼットの中の(なぜか)逆さに吊るされた服を捉えたカメラが、一度振られた後に戻ってくると、何故か服が中身付きになっている、と言うのだが、正直人間(の霊)に見えない。
 カメラが戻ってくる前と何かが違うのは判るのだが、、、

 

「シリーズ監視カメラ パチンコ」
 廃墟モノ。
 しかもパチンコ店。

 廃墟と化したパチンコ店に監視カメラが仕掛けてあって、しかも動体センサーがに反応して警備員までやってくる。
 「この世ならざるもの」の映像がショボすぎて、何故廃墟にそんなに金をかけるのかと言う興味に負けている。

 

「樹海」
 青木ヶ原樹海には、つまづくとそれは霊の仕業である、とする都市伝説があることが紹介される。
 で、当然つまづくわけである。

 しかも、地中から半分生えてる女性の頭につまづく、と言う大胆な直截ぶり。
 コレは予想外でした。
 地面から半分突きでた頭の目が動いてコッチを向きます。

 

 ところでこの映像は投稿サイト用に撮っていたそうだが、なぜサイトに投稿せずにほん呪製作委員会に送るのか。

 

「六十六」
 今回の長編。
 メンド臭いんでザックリ解説しちゃいますが、とある映像制作会社(つまり、「業界内ネタ」)で、「六部伝説」と言うネタを追っていた、と。
 「六部」とは「六十六部」の略で、要は六十六ヶ所を巡る修行をしてる巡礼僧です。この六部を殺して金品を奪い繁栄した家が、やがて六部の生まれ変わりの我が子に復讐される、という説話があるのね。
 で、この映像制作会社では、とある沼でキャンプした若者が撮った映像に映る編笠の僧の霊が、この「六部伝説」の六部なのではないか、と言う線で取材していた、と。

 で、こっからがちょっとトリッキーなんですが、この映像制作会社の社長は社員の造反に会い、くだんの沼に身を投げて(!)、六部伝説を利用して社員に復讐しようとしていた、と。

 まあ、ほん呪製作委員会としては、くだんの沼に撮影に行きますよね。

 

 そうです!
 菊池の得意技!探検の始まりだ!

 今回はいつもは事務所で調査役を振られる川居尚美嬢も連れて、総勢4人でわざわざ沼に撮影に行きます。
 なにも4人で行かなくても、と思いますが、それどころか、なんと、沼にカメラとモニターをセットして、3人でモニターを覗き込み始めます(当然菊池はその3人を別カメラで撮っている)。

 

 いやいやいや。

 なにも三人がかりでモニター覗き込まなくても、誰か1人見張らして後はテントでも持っていって寝てればいいんじゃないの?なにも真冬の夜中にダウンジャケット着込んだ3人で白い息吐きながら1つのモニター見張らなくても。
 極端なハナシ、誰も観てなくても次の朝データチェックして「ああ、写ってるね」で良くね?
 なんか写り始めたとして、全員起きててなんかできることあるの?

 ところがやがて何故全員起きている必要があったのか、わかります。
 もちろん製作委員会の「演出上の」必要です。

 

 こっから先は皆さん本編で確認してください。
「何故オトコが二人もいるのに、オンナの川居嬢が助けに行くのか」
とか
「何故川居嬢は水に浸かっても大丈夫な素材のズボンをあらかじめ履いているのか」
とか、色々な疑問が湧いてくると思いますが。

 

 菊池カントクの探検好きは徐々に顕現してきてはいたが、ここ2・3作は探検を通り越してすでに製作委員会が積極的に事件にコミットし始めている。
 コレはほん呪シリーズの根本的な変革と言っていいのではあるまいか。

 

 まさか、そのうち製作委員会が探検する長編一本だけのほん呪、などという巻がでる、とでも言うのだろうか、、、

JUGEMテーマ:ノンフィクション

at 03:41, 空中禁煙者, 邦画

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「ヒメアノ〜ル」 誰か森田剛で「復讐するは我にあり」を作るべき

 最初から2つのストーリーラインが存在し、その2つが時に接触し、時に離れていくスリルを楽しめる映画。

 

 ストーリーラインのひとつは濱田岳演ずる地味なバイト君を主人公にしたラブコメディ。
 もうひとつは森田剛演ずる殺人鬼が淡々とヒトを殺しまくるスプラッターホラー。

 バイト君の良いヒトだがキモい先輩(ムロツヨシ)の憧れの美少女ユカちゃん(佐津川愛美)は殺人鬼にストーキングされているうえ、実はバイト君と殺人鬼は高校の同級生なのだ。
 この2つを接点に、2つのストーリーラインはダンスを踊るように絡み合う。

 

 まず、ラブコメディ部分が良く出来ているのに驚く。
 ある程度のトシになっちゃっているが(多分バイト君とゆかちゃんは20代前半のつもりだろう)、あまり裕福でもオサレでもない、フツーの男女のフツーに不器用なエッチを描いてコレほどリアルな映画をワタクシ空中さんは観たことがない。
 映画に描かれるのはだいたい無駄にありえないほどオサレな男女であり、貧乏な設定でもできるだけビンボ臭さを感じさせないように描いているか、あえてビンボ臭さを出している場合はなんか異常だったり濃厚だったりするものだ。

 

 佐津川愛美ちゃんのムチャクチャ可憐ではあるが、ありえないほどの美しさではないリアルさが効きまくり。
 濱田岳だのムロツヨシだのひとクセある演技派に囲まれて、ある意味体当たり演技で頑張ってます。

 

 もう一人の主演、森田剛も良い。
 この役はオフィシャルサイトでも「サイコキラー」と紹介されているが、厳密に言うとサイコキラーではない。
 彼は猟奇殺人犯でも快楽殺人犯でもないから。

 彼が殺人を楽しんでいるような描写は一度もない。
 しかし彼は何故か殺人に対し禁忌を失っており(その意味ではサイコではあるが)、ちょっとでも彼の行動を妨げるものはなんの躊躇もなく殺す。
 そして、殺したせいで行動に制限が出来て、また殺す。連鎖反応のように殺す。
 「クリミナル・マインド」風に言うと「スプリー・キラー」と言う奴だろう。

 そして森田剛は、この、「別に殺すことが好きではないんだけど、ちょっとでも必要あればすぐ殺すよ?」と言うオトコにちゃんと見える。
 これはすごいことだ。

 とりあえず、「サイコキラー」と言う言葉からすぐ連想されるようなステロタイプに堕さず、「心の何かが欠落してしまったオトコ」の演技に徹している。

 

 ちなみに「ヒメアノ〜ル」のwikipediaを見ると、この役の人物に関して、
>実態は人の首を絞めて殺すことに性的興奮を感じるサイコキラー。
という記述がある。
 映画には首を閉めて性的興奮を感じている描写は一切ない。
 つまり、映画化にあたってサイコキラー要素は落とされているのだ。
 コレは映画の後半次々とヒトを殺していく彼に対する解釈として正解だろう。あんなもんいちいち性的興奮感じてたらとてもじゃないが間に合わない。

 

 惜しむらくは脚本、演出の吉田恵輔氏の才能が明らかにラブコメディに寄っていて、殺人鬼パートの演出に、森田剛の演技以外光るものがない。
 これもまた、コミックという時間的制約から自由なメディアを、イロイロ不自由なメディアに変換する際に生じるデメリットなのだろう。

 

 メリットはもちろん佐津川愛美ちゃんのベッドシーンです。

JUGEMテーマ:映画

at 19:25, 空中禁煙者, 邦画

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「殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―」 隠蔽者は、もう、そこらじゅうにいる

 日本の警察はなんでこんなに駄目になってしまったんだろう。
 

 ワタクシ空中さんが子供の頃は、警察関係者たちは胸を張って「日本の警察は日本一」と満天下に宣言していたもんだ。
 いま、そんなことを言う警察関係者は絶無だろう。
 捜査だの検挙だのより、天下り先を捜す(或いは自ら作る)のに忙しいから、警察としての能力が世界一かどうかなんて瑣末なことは気にしてられない。

 ある時期をさかいに、日本の司法は物的証拠第一主義を忘れ、戦前のような自白偏重主義へと回帰して行く。
 私見によれば、転回点は「グリコ・森永事件」だったように思う。
 グリコ・森永事件以降、日本企業は天下りを受け入れるのはしぶり始め、警察官僚たちは捜査どころじゃなくなっていく。


 本書はそんな日本警察の堕落の帰結点のひとつ(あくまでひとつに過ぎない)、「足利事件」が冤罪であることを暴いたジャーナリストによる「魂」の告発であり、警告である。
 警告は警察への警告ではない。北関東に暮らすヒトビトへの警告である。
 北関東で5人の幼女を拉致・殺害した犯人はまだ捕まっていない。

 

 著者、清水潔氏は市井のヒトビトの「小さな声」を拾い上げることにこだわる。
 裏を返せば「大きな声」である警察発表を信じないということでもある。
 清水氏は警察の大本営発表の場である記者クラブから事実上疎外されている。
 にもかかわらず、「小さな声」にこだわり続けて死刑囚の逆転無罪を勝ち取った。
 ペンは剣よりも強しとは正しくこういうことを言うのだろう。


 そして、清水潔氏が未だに少ない予算で周囲と戦いながら取材を続けなければならないという事実が、日本の司法のみならず、ジャーナリズムもほぼ死に体であることを物語っている。
 真のジャーナリストが清水氏の他に数人出てこないと、今の日本で真のジャーナリズムが、ひいては真の民主主義が育たないのだろう。

 

 と、言うわけで、ワタクシ空中さんは本書の内容をほぼ全面的に称揚する(飯塚事件に関する議論も含めて)。

 とここまで断っておいて、一言。

 

 清水潔氏が真のジャーナリストであり、ジャーナリズム最後の希望であることなど既に常識の部類であろう。
 それを認めた上で敢えて苦言を呈させていただきたい。

 ワタクシ空中さんはもともと「ジャーナリストの書いた本は苦手」と言っているが、本書でも同様のモノを感じた。
 やや感傷的にすぎる「少女の夢」に関する記述は、まあ、演出として良しとしよう。
 どうしても気になったのは「黒いファイル」の扱いである。

 

 清水氏が北関東連続幼女殺害事件を扱うと決めた時点でこの「黒いファイル」は清水氏のデスクに存在しているのである。
 そして清水氏はこの「黒いファイル」を元に一連の事件の真犯人に行き着く。
 本書では匿名ではあるが、私的にDNA鑑定までして真犯人を特定しているのだ。
 そして、この「黒いファイル」の正体については明かされない。
 あとがきで「ニュースソース秘匿のため」とウダウダ言い訳しているが、だったら「黒いファイル」の存在自体匂わさなければ良いだけではないか。
 参考人リストの中に気になる人物がいた、とかなんとかいくらでも嘘にならない書きようはあっただろう。
 なにもわざわざ「黒い」などと色付きで、カッコつきでもったいぶる必要はない。

 鬼気迫る取材ぶりにはただただ頭が下がる(というか日本のジャーナリズムの良心と言っていいだろう)が、書籍としての完成度という観点から見ると、ややフラストレーションの残る演出だったな、と思う。

 

 最後に本書で最も怖いシーン。
 それは、最高検察庁幹部が、清水氏と上司に近づいてくるシーンである。
 おためごかしに清水氏とその上司と共に銀座の懐石料理屋で一席設けるが、さんざん清水氏の取材結果に感心してみせた挙句、
「あの18−24って奴、やめてもらいてえんだよなぁ」
とのたまう。
 18-24とは清水氏が私的に入手した真犯人のDNA型である。

 検察庁最高幹部は、「ハナシのわかる偉い人」のフリをして近づき、結局清水氏の報道を遅らせる役割を担っていたのだ。

 

 もう、この国では検察すら信じられないのだ。

JUGEMテーマ:ノンフィクション

at 02:21, 空中禁煙者, 書籍

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「アイアムアヒーロー」 早急な続編を求む

 映画が始まってから、延々と主人公のダメ人間ぶりを見せつけられる。
 ハハァ、コレはダメ人間がゾンビ騒動でヲタヲタする様を描いたコメディか、くらァ〜い不条理文学の映像化のようなものを観せられるのだな、と覚悟せざるを得ない。

 

 しかし、主人公が最初にゾンビと出会うシーンで、実はこの映画が、ガチでどシリアスなゾンビものであることを思い知らされるのであった、、、
 この映画は日本映画界としてはほとんど初と言っていい、本格的なゾンビ映画なのだ。

 

 そうなると次に問題になるのは、ダメ人間の復権成分と、ゾンビ成分がうまく融合するのか、ということだが、、、
 正直言って上手く融合して相互に効果を高めあう、までは行ってないのだが、なんとか共存することには成功している。

 

 共存できた大きな理由のひとつは、主役に大泉洋を持ってきたことだろう。
 この、コメディもシリアスもシームレスにこなす、整った顔立ちであるにも関わらず、決して二枚目ではない特異な存在の仕方をする役者の、肉体と演技力が、かろうじて2つの要素がバラバラになってウソ臭い映画になることをくい止めている。

 おそらく原作コミックが2つの要素を融合できているのは、「絵柄」というコミックが持つ最大の魔法(コレはコレ一発でなんでも可能にする真の魔法である)と、(人気さえ出れば)ほぼ無制限な「長さ」によるものと思われる。
 映画版のキャストでいえば、ドランクドラゴン塚地やマキタスポーツを主役に持ってきて、2つの要素の相乗効果を出せれば、コミック版の真の狙いを達成出来たとしたいところだが、やはり2時間強の映画というメディアでは無理だろう。
 大泉洋を持ってくることが映画版としては最善の策だったのかな、と思わざるを得ない。

 

 男優で主役級は大泉洋1人だが、片瀬那奈、有村架純、長澤まさみ、と女優に主役級が3人もいる。
 片瀬那奈はキレイなシーンがなくて割りを食っているが(芝居どころはある)、後の二人はそれぞれのキャリアのエポックメイキングな活躍ぶり。
 有村架純ちゃんは設定の都合上、後半はほぼ存在するだけになってしまっているが、前半の可愛さは異常。
 さすがにJKの分際で自分の死を淡々と受け入れる悲壮美は出し切れていないが、プクプクしたルックスが、
「置いていってもいいよ」
などと言う優しさにリアリティを持たせてしまう。
 この役は2時間の映画としては途中で処理すべき役だと思うが、後半お荷物感満載でも残しているのは、おそらく続編への布石なのだろう。

 

 代わりに後半活躍するのが長澤まさみちゃんだ。
 最初、巨大アウトレットモールで主人公を救う女戦士として登場したとき、長澤まさみちゃんだとは気づかなかった。
 JACあたりから連れてきたアクションの出来る女優さんだろうと思った。
 中盤からさすがに「長澤まさみちゃんに似てるなぁ、、、」などと思い始めたが、それくらい普段とは違うシャープなメイクになっている。
 タバコをプカァ〜っとふかす芝居といい、やや虚無的な女戦士の役が似合っていて、おそらくは何回目かの演技開眼と言ってもいいのではないか。

 

 監督は監督は「GANTZ」や「図書館戦争」の佐藤信介。
 特筆すべきコトは、この映画はまだ終わってないコミックを原作にして、ちゃんと終わった感を出せていることだ。
 これは「進撃の巨人」や佐藤信介自身の「GANTZ」でも、日本映画界がことごとく大失敗している。

 

 まあ、この映画の場合、「ゾンビ映画の伝統」に乗っかっている部分もある。
 巨大モールのコミュニティが崩壊して主人公を含む少数が脱出に成功する、というのは、ジョージ・A・ロメロの「ゾンビ」と一緒だ。
 ゾンビ映画ファンは、ここで「ああ、一応終わったな、、、」と感じるものなのだ。

 

 日本のコミックというものは、世界のトップを走り続けているが、映画はどうもそうなってない。
 しかしこの映画のゾンビ描写はコミック作家の想像力というカタパルトを得て、日本初どころかおそらくは世界レベルかな、と思う。
 ワタクシ空中さんは長らく日本映画がなんか別のメディアの表現のサブジャンルに墜ちていること嘆くものだが、この映画では上手い協力関係を築いたな、と思う
 それくらい真剣に、ゾンビ映画をやっているのだ。

 

 願わくば、有村架純ちゃんがあんまり大人になる前に続編が作られますことを。

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at 02:30, 空中禁煙者, 邦画

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